神楽幻想奇話〜鵺の巻〜

「忍…前もって説明しとかんか。ゴチャゴチャやかましい小僧だ。」

月読は忍の方を見て言った。


「ごめん月姉、話が急だったもんで…。」


「お前らしくないな。何かしらワケありみたいだな？」


「そうね、余裕が今無いのよ…。説明は今度するわ。
とりあえず彼と手合わせしてくれる？」

そう言って忍は透に顔を向けた。

月読はつられて透の顔を見ると、ゆっくりとした口調で質問した。


「わざわざ彩音達がワシを選んだからには、何か目的があるんだろう？話せ小僧。」


透は少し説明に困ったが、いたって簡単に説明した。


「お前がさっき言った通り、俺は妖憑きだ。
…だが力を引き出し切れていないんだ。その力を少しでも使えるようになりたい。」


その様子をジッと見つめていた月読はニヤリと笑った。