神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
鬼に当てていた手が光を放つと、澪の体が揺らめいて、目の前の鬼と同じ姿に変化していた!


(何敵の姿をコピーしただと)

透は驚きを隠せなかった!
自分がいつも使っている技は、せいぜい無機質な物体に変化することと、相手に幻覚で他の物に見せる事くらいだった。


記憶の中で澪は、鋭い爪や怪力を思うままに使って鬼を引き裂いて退魔した。

サラサラと灰になって消えていく妖を確認した澪は、徐々に人間の姿へと戻っていった。


(あれは、姿だけじゃない。完全に相手の力や能力まで完全に変化していた…!)


透は再び意識を暗転させると、額に手の感触のある自分の体に戻ってきた。

「どうだ?何か見えたか?一度休んでも良いがどうする?」

月読の声が聞こえた。

「いや、大丈夫だ。このまま頼む。」

そういった透は、妖狐と犬神の存在を探した…。

二度目なのでさっきよりも早く透は探し出す事が出来た。
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