神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「ああ、犬神の能力は俺の力を強化してるんじゃない。自分の周囲の重力を変化させているんだ。
だから物や人を軽く運んだり、高く飛んだりする事が出来たんだ。」


それを聞いた月読は耳をピクリと動かして言った。


「さすがは精霊化した妖なだけあって素晴らしい力だな。
後は小僧の修行次第というわけだ。」


「そうだな…しかし、気がかりが一つある。」

そう言って透は空を見上げた。


「俺自身に憑いてる妖がいくら探しても見つからなかったんだ。」


「…そうか、ワシが言うのもなんだが、今は無理矢理起こさない方がいい。妖の意志を尊重しなければ共存は出来んからな。」


透は目の前のネコ耳を見つめて言った。

「そうか、分かったよ。力を貸してくれてありがとう。」


月読は透の視線を下から見上げて、質問した。

「さっきからどこを見ているのだ?」

その質問に対して透は、態度で答えた。

わしっ!

「にゃっ!!」

透は月読のネコ耳をわしわし触った。
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