神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「…馬鹿者」


姿勢を低くして駆け出した鵺を見て、月読が叫びながら透を横に跳ね飛ばした!


「何するんだ月読…危ない」


倒れた態勢から顔を向けて見た時、鵺の突進を避けきれずに地面に叩きつけられる月読の姿があった!


頭をがっしりと捕まれて地面が凹むほどに叩きつけられた月読は、刀を手から離して動かなくなった!


自分の身代わりになって月読が倒された事に、透は奥歯を噛みしめて悔やんだ。


パラパラと小石の音がする中、ユラリと立ち上がった鵺は、月読の横顔を踏みつけながら透に言った。


「クックックックッ…猫に助けられるなど、落ちたものですね…神楽一族とは猫以下ですか?」


倒れたままの透に向けられた視線は余りにも冷たいものだった。
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