海くん、だーいすきっ
6時半。
部活が終わった。
海くんと一緒に帰れる!!
そう思った時。
後ろから声がした。
「…葵ちゃん?」
海くんの声じゃない。
まず、海くんは私の事葵ちゃんなんて呼ばないし。
じゃあ…誰?暗くて良く分からない。
「3年の塚原 啓吾だよ。」
あ、塚原先輩か。
塚原先輩も野球部なの。
「今日も藤川と帰るの?」
「はい!今海くん待ってるんですっ」
「そっか〜じゃあさ、今日は俺と帰んない?」
は?先輩私の話し聞いてた?
「や、でも海くんに待ってろって言われてるんで。」
「海くん海くんって葵ちゃん可愛いね。」
そう言う塚原先輩が私に近寄って来る。
「先輩っ…」
周りが暗くて分からない。
海くんっ…!!早く来てよっ!
「何やってんすか?」
ちょっと怒ったっぽい海くんの声が聞こえた。
「海くんっ!!」
私は先輩から逃げて海くんの後ろに隠れた。