憂鬱girl

学校に向かう車内は意図的に沈黙を貫く。
天咲秋人も別にそれには大して不機嫌さを感じないし、大体この人の態度をいちいち気にしていたらあたしの人生確実に変わる。


「あ…ここでいいです」


校門よりも数十メートル前であたしは口を開いた。天咲秋人も反論はしない筈。だってこいつの存在が目に入っただけで周囲のボルテージが有り得ない位上がるから。一度悲惨な目に合ってからは二度と、二の舞は踏まないと決心は固い。


だけど、今日はやっぱり何かが違う。




天咲秋人が頷くよりも先に、ドアに手をかけたあたしに




「おい」



低くて透明感のある甘い声。


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