憂鬱girl
天咲秋人はそのままあたしの頬に指先で触れる。その指先の温度にビクリとしたあたしに、クッと笑って
「身構えんな…もうしねーよ」
細まった瞳が低くて甘い声にリンクして目眩がしそうになる。
多分、また頬を挟まれる、なんて思ったんだと思うけど、そんなんじゃない。そんなん雰囲気で分かるし、そうじゃなくて、
「さっき…」
あたしは渇きそうなカラカラの声を振り絞って、天咲秋人を見つめるけど、それから続く言葉がどうしでも出てこない。
「ん?」
不思議そうにあたしを覗き込む透明な瞳は、光加減で淡い栗色に変わりながら悪戯にその質を垣間見せる。
…やっぱり聞けない。
あたしは小さく息を呑んだ。