天然100%
昨夜の美鈴のことだ・・・。
あたしはそう確信した。
「落ち着けるかっ!ちゃんと謝れ!」
「遊斗・・・お前・・・」
「土下座して謝れ!」
たぶん遊斗は啓介に
美鈴に謝れって言ってるんだ。
「やめてっ」
美鈴は小さく叫んで
そばに行こうとしたけど
人が多くて前に進めない。
バキッ
「あ、遊斗が殴った」
「嘘だろ?あの遊斗が?」
「みたいだぜ」
前の人たちの会話は
あたしと美鈴を固まらせた。
「さっきも殴ったんだぜ?」
「啓介もやり返せばいいのにな」
「ケンカなら啓介のほうが強いんだろ?」
「なんでだろーな?」
啓介は自分がやり返したら
遊斗が負けることを分かってるんだ。
「なにやってんだお前らー!」
ようやく先生がかけつけてきて
まわりの野次馬がどけた。
そこには怒りで
顔を真っ赤にした遊斗と
顔が腫れてしゃがんでる啓介がいた。