天然100%


遊斗と啓介は先生に
連れられてどこかに行った。


野次馬がいなくなった後も
あたしと美鈴は放心状態で
その場に固まってた。


「美姫ちゃん?」

「え?」


振り向くと心配そうな顔で
由梨があたしを見てた。


「美姫ちゃん今の見てたの?」

「うん・・・由梨も?」

「あたしが悲鳴上げちゃったの」

「そうなの!?」

「うん」

「どうしてあんなことになったの!?」

「分かんない・・・」


由梨は顔をゆがめた。

遊斗の怒ったとこなんて
初めて見たのかも知れない。


「遊斗が啓介になにか話しかけて・・・」

「それで?」

「啓介がなにか返事したら遊斗が殴りかかったの」

「いきなり!?」

「うん・・・あたし見てたもん」

「どうして・・・」


啓介の返事が遊斗の怒りを
買うようなのだったのかも。

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