美湖 夜空を見上げてごらん?【月】
でも・・・・その3人まで麻湖ちゃんたちのところへ行ってしまってもう私には友達を取り戻す方法はこれしかなかった。」
「・・・それが・・・私のお姉ちゃんをみんなから嫌われるようにすること?」
私が初めて口を開いた。
「ええ・・・そうよ。悪い?あなたもお姉ちゃんと似てかわいいのね。だったら私みたいな孤独一生味わうことなんかないわ。よかったわね。あなたは一生幸せに暮らすのよ。」

一生幸せに・・・?
「ふざけないで!!」
私はついに切れた。
「一生幸せに暮らすって言ったけどそれをあなたが壊したのよ!?お姉ちゃんが死んでそれでも一生幸せに暮らせるっていうの!?お姉ちゃんの存在を忘れて暮せって言うの!?あなたの言ってることは間違ってるってこと分かってよ!!あなたの弟が死んでも幸せに暮らせるの!?お母さんが死んでも幸せに暮らせるっていうの!?あなたにとって人間ってどういう存在なの!?」
 そこまで言うとお母さんが私を抱き寄せた。
「おかあさっ・・・。」
「美湖・・・あなたが言ってることは正しいよ。ユウカちゃん分かってちょうだい。麻湖はこの子のお姉ちゃんなの。麻湖は私の娘なの。あなたのお母さんも弟さんもあなたを失ったら今の美湖みたいになっちゃうわ。この子はね前までものすごくいい子だったのよ。でも、麻湖が死んでから麻湖のことになるとこうなっちゃうの。分かってくれる?」
お母さんは泣きながら言った。





「・・・そこにいた弟って・・・マドカ・・・くん?」
私は動揺丸見えの声で聞いた。
「・・・俺だって最初は分からなかった。でも・・・美湖ちゃんに初めて会ったときにどっかで見たことあるなって引っかかってた。だから・・・名前聞いたときにあの日のこと思い出した。」
 マドカは静かな声で言った。
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