3人の き も ち
ムッ とする。
眉間にシワが寄るのが、自分でもわかる。
「なんで、謝る。」
「だ、だって、私の、」
「お前のせいじゃ、ない。」
最後まで言わせず、映樹は声音も硬く即、否定した。
冗談じゃない。
こんな事で、なんで早苗が責任を感じなくちゃいけない。
責任なら、アイツに擦り付けてやる。
不機嫌な映樹とは対照的に、早苗の表情が少しだけ和らぐ。
「おんなじ。…穂杉くんと…おんなじコト、言うね。」
まさか、自分から話してくるとは思っていなかった映樹は、鼻白む。
「電話で、少し…話したの。」
あの当日の夜に、伸から連絡をもらい、先ほどの、自分とのやりとりと同じ会話をしたのだ。と、前置きして、話したことをかいつまんで説明してきた。