3人の き も ち

昼休みになり、弁当箱を片手に圭吾がやってくる。

映樹の前で一度立ち止まると、何も言わずに教室から出ていく。
映樹も黙って立ち上がると、自分の弁当を持って圭吾の後に続く。



教室棟のある校舎。
各階に2、3ヵ所ほど中庭の見える小さなテラスがあり、五人掛けのベンチもある、内輪話にはもってこいの場所。


既に話して決めていたのだろう。
そこには弥生と早苗がいた。


圭吾の説教を覚悟していた映樹は、早苗の姿を見て気が緩む。


いくらなんでも早苗の前で、奴の話は無いな。

「よぉ、久しぶり。」

安心して、2人に声をかける。

すると、

「ごめんなさい。」

泣きそうな表情で、早苗が謝ってきた。



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