咲いても、枯れても1~サクラ色~
『ねえ、君は?』
二人に放置されていた高橋くんが私に声をかけた。
焦げ茶。
不意に、彼を思い出す。
桜に包まれた優しい笑顔。
髪が熱くなった、彼に触られただけで。
顔が熱くなった、彼に名前を呼ばれただけで。
思い出したら、
また心臓が、うるさい。
『──ねえ?』
『あ、ごめんね』
また意識が飛んでたみたい。
私の悪い癖だ。
『私は、成宮白純美。高橋くん、よろしくね』
『白純美ちゃん?』
『あ、』
『なに?』
名字で呼んで、そう言おうとして止めた。
なんか仲良くなるのに対して、否定的だから。
私にとって、名前は特別なの。
『お前もあいさつしたら?』
『え…いいよ、俺は』
高橋くんのそばに立っていた、黒髪の彼。
二人に比べて消極的かしら?
『ほら!またそうやって女を避けるんだから~!』
『違うよ!!女じゃなくて、人が嫌いなんだよ!!!』
人が、嫌い?