咲いても、枯れても1~サクラ色~
『さくら』
学校を飛び出して、大学の前まで駆けて行くと、大好きな声が聞こえてきた。
涙が出る程に、柔らかい。
呼び名からして、誰だか分かる。
『拓!!』
声の主に抱き着く。
駆けて来た勢いのまま。
『走って来たのか?これからは危ないからゆっくり来いよ?』
『あ、うん。分かった』
軽く怒る拓も、愛ゆえと思えば嬉しくなる。
それにしても、拓は極度の心配性なのかしら?
きっと、そうね。
思わず、ふふ、と微笑む。
『何?学校で、何か良いことあったのか?』
拓は嬉しそうに、けれどどこか寂しそうに尋ねる。
ほら、やっぱり心配性。
貴方のことなのよ、と思ってまたニコッと微笑む。