初恋ドロップ


「紗裕、必ず俺が支える
だから・・・頼む

傷つく可能性のあることなんかやめろ―・・・」



そう言って抱きしめてくれた駿


肩ごしに見える夕日が優しく目に染みる。


―会いたい

この気持ちはなくならない。
きっと、一生消えることはないと思う。



だけど、いけない気がしたの。



今、会いに行くことで大切なものが逃げていくような不安。



全てを捨ててお母さんに会いに行く勇気なんて今の私は持っていなかった。



持っている僅かな幸せをなくしたくなかったの。


「心配してくれてありがとう。

分かった。会わない・・・

・・・会わないよ。」



夕焼けに向かって呟いた

小さく、小さく



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