伽羅子
「殺そうとしましたね」

抑揚のない声で伽羅子が言う。

焦点の合っていない瞳で、俺を凝視する。

生気のない顔。

活気のない目。

まるで死人の目で、俺を見る…。

「私を犯そうとした挙句、殺そうとしましたね…」

目を剥き、死後硬直のような表情で、伽羅子が俺を糾弾する…!

その恐怖と戦慄に耐えきれず…!

「うわぁああぁああぁあぁっ!」

俺は再び伽羅子に掴みかかり、全体重をかけて細首を締め上げた!

< 29 / 55 >

この作品をシェア

pagetop