伽羅子
「来るなぁあぁぁあっ!」

俺は渾身の力を込め、伽羅子の顔を両足で蹴る!

ゴキン、と鈍い音。

伽羅子の顔が、天井を向くほど大きくのけ反った。

明らかに首の関節の可動範囲を超えた曲がり方。

同時に、彼女は床に頭を打ち付けるような形で顔を伏せ、動きを止めた。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

やっと事切れた伽羅子の姿を見て、俺は必死に荒い呼吸を整えた。

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