Another Episod by………



「………だから、
母ちゃんが死んだのは
ファルクスのせいでも、
ライアのせいでもない」
「ガキの頃危険だから
あんなに1人で外出るなって
言われてたのにな。
勝手に出た俺を連れ戻すのに
母ちゃんも外に出て、
それで俺を守るのに
攻撃受けた………」
「よく覚えてるんだな……」
「あぁ。
忘れられねぇ。
忘れるわけがねぇ」
「お前がずっと自分を
責めてるのは知ってた。
自分のせいでライアを
母親の居ない子供にしたとでも
思ってんだろ?」
「…………………」
「……やっぱりな。
けどな、
それは俺から言わせれば
お前自身だってそうなんだよ。
俺だって、
なんでお前らから
目を離したんだろうって
ずっと後悔ばかりだった。
あいつにも………
辛い時間を与えてしまった」
「…………母さんは…
父さんの事も
お兄ちゃんの事も
何も悪く思ってないよ」
「「?」」
「まだあたしが小さい頃、
いつもいつも………
『あんた達は何も
悪くないのに…』って
言ってたよ?
あたしが9歳か10歳位まで
いつも母さんは傍に
居てくれた。
大事な事はいつも
母さんが教えてくれた。
父さんが何かバカしたら
いっつも怒ってた。
お兄ちゃんが家出ばっかしてて
いっつも呆れながら
心配してた。
あたしには母さんが見えて、
こうして話せるのに、
見えてない父さんと
お兄ちゃんは
バカだって言ったら、
見えてるライアの方が
あたしに似てバカなんだって
笑われた。
あたし、
母親の居ない子供なんかじゃ
なかったよ………?
だけどね、
急に母さんは姿を
見せなくなったの。
最初はね、
死者の姿が見えなくなったのかと
思ったんだけど、
そうじゃなかった。
街に居る人達は今まで通り
普通に見えてるの。
母さんだけ………
見えなくなってた」
「…………………」



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