パンダ戦争
 まずい。

このままではパンダパンが買えない。

とはいえ、中学校の頃、嫌いだった先生の車のタイヤをパンクさせた程度の、ささやかな(?)悪事しか働いたことのない僕には、並んでいる人を抜くことなんて出来ない。

こうなったら、誰よりも早くパンダパンを見つけて、手に入れるしかない。

パンダパンが見つけにくいところにあることを祈ろう。


 開店したての店内に、並んでいた人たちが順序良く入っていく。

そして僕が店内に足を踏み入れた瞬間、祈りの効果がまったくなかったことを知ることになった。


一日限定7つのパンダパン。
なんとたったの500円!


 そう書かれた、長さ1メートル以上はあろうかというドデカイ看板が、店中央の天井からワイヤーでぶら下げられていたのだ。

その真下では、パンダパンだと思われるパンが金の台座に乗せられていた。

半分あきらめかけたが、僕がパンダパンの前に来たとき、なぜかまだ7つとも残っていた。
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