パンダ戦争
***
冬の朝はすこぶる寒い。
厚手のコートにマフラー、手袋と完全防備で家を出たのだけれど、理沙のように凶暴な風が服の隙間から殴りかかってくる。
朝の7時、パン屋の前に理沙の姿はない。
深夜の2時にまだ寝る気配もなかったからな。
まあ、予想通り。
寝ているのであろうことはわかっていたけれど、念のため電話をかけてみたら、やはり出なかった。
そのかわり、先客が7人、すでに並んでいた。
みんなパンダパンが目当てなのだろうか。
それにしても、自分から強引に誘っておいてこないとは、信じられない女だ。
たまには僕も、強気に責めるべきなのかもしれないな。
本気を出せば、きっとボッコボコにされる(?)はずだ。
店が開くまで特にやることもないので、前に並んでいる客をチェックしてみた。
7人全員が中年女性だった。
僕や理沙のような大学生は1人もいない。
限定7つのパンダパンに興味があるのは、おばさんだけってことか。
……ん?
そこで僕は、ある事実に気付いてしまった。
パンダパンは限定7つ。
僕の前にいる人は7人。
あれ? 買えなくね?
そんな僕の焦りなどお構いなしに、お店がオープンしてしまった。
冬の朝はすこぶる寒い。
厚手のコートにマフラー、手袋と完全防備で家を出たのだけれど、理沙のように凶暴な風が服の隙間から殴りかかってくる。
朝の7時、パン屋の前に理沙の姿はない。
深夜の2時にまだ寝る気配もなかったからな。
まあ、予想通り。
寝ているのであろうことはわかっていたけれど、念のため電話をかけてみたら、やはり出なかった。
そのかわり、先客が7人、すでに並んでいた。
みんなパンダパンが目当てなのだろうか。
それにしても、自分から強引に誘っておいてこないとは、信じられない女だ。
たまには僕も、強気に責めるべきなのかもしれないな。
本気を出せば、きっとボッコボコにされる(?)はずだ。
店が開くまで特にやることもないので、前に並んでいる客をチェックしてみた。
7人全員が中年女性だった。
僕や理沙のような大学生は1人もいない。
限定7つのパンダパンに興味があるのは、おばさんだけってことか。
……ん?
そこで僕は、ある事実に気付いてしまった。
パンダパンは限定7つ。
僕の前にいる人は7人。
あれ? 買えなくね?
そんな僕の焦りなどお構いなしに、お店がオープンしてしまった。