愛とギターとガラクタと

詩織ちゃんは、そっと顔を出して、小さく呟いた。


「ワタルお兄ちゃん、来てくれてありがとう」

「うん」

俺は傍のイスに座った。
葵は笑って、腰をまげて、詩織ちゃんに優しく笑いかけた。


「詩織、航ね、歌ってくれるよ。勇気が出る歌」

「本当?」

「うん。だから約束してくれる?手術受けるって」

「うん。約束する」



詩織ちゃんの笑顔に、俺はぎゅーっと胸が痛くなって。

葵の心配そうに笑う顔が、俺をもっと切なくさせて。



最後の曲なんだって思ったら、もう何だか苦しくて。



俺はゆっくりギターケースを開き、相棒を取り出した。でも、ピックを持つ手が震えて、なかなか踏み出せない。


その時、詩織ちゃんが小さく言った。


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