甘い蜜
「麻理亜!!」
俺は慌てて階段を覗き込む。
階段の下に倒れている麻理亜をみて、一気に体温が下がった。
「あ……敬夜さん……」
「っ」
俺の登場に驚く真理子さんなんてどうでもいい。
俺は、階段を段飛びで麻理亜に駆け寄った。
「麻理亜、麻理亜」
腕で起こし、名前を呼ぶ。
しかし麻理亜からの反応は無かった。
「麻理亜、起きろ」
ペチペチと頬を叩いて起こすが、起きない。
起きろ、起きろ……お願いだから、目を覚ましてくれ……!!
不意に鉄の臭いがした。
まさか、と思って麻理亜の様子を窺うと、赤い液体が見えた。それはどんどんコンクリートを染めていく。