甘い蜜



「存在自体がいけないのよ……」


はぁ?と思った。
貴様に存在云々を語る資格があるのか。
言い返そうとしたが、真理子さんが勢いよく言葉を吐き出し始めた。


「あの子さえ現れなかったら貴方は私のものだったのにっ」


あの子さえ現れなかったら、と何回も繰り返す。


本当に救いようがない。


「――――たとえ麻理亜が現れなくても俺はお前とは結婚していない」

「!?」

「お前の私利私欲のために俺らは振り回されたんだよな?」


今、物凄く麻理亜に会いたくなった。
吐き気がする。
何時までもこの場所に、同じ空気を吸いたくなかった。



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