甘い蜜
普段はストレートの髪が緩く巻かれていて、薄く化粧もしているようだ。
着ているドレスは薄い桃色の、膝だけぐらいしかない軽いもの。
いつもの麻理亜とは別人みたいだった。
「お誕生日おめでとう」
麻理亜は、にっこりと笑顔で祝いの言葉を言ってくれる。
「…………」
「敬夜さん?」
「………その格好、」
「これ?学さんプロデュース」
似合わない?とくるりと回る。
似合わない訳がない。むしろ似合いすぎてる。
「驚かせるために頑張ったんだよ」
その言葉で、ようやく、俺は麻理亜の今まで出掛けていた理由が分かった。