甘い蜜
「敬夜さん」
「何だ」
グイッと胸を押され、麻理亜との間に距離が出来た。話しかけられて力を緩めたら、スルリと麻理亜が離れていく。
「麻理亜、」
麻理亜は、それに答えることなく部屋の奥へと行ってしまった。
何となく寂しさを感じていると、麻理亜は何やら小さな包みを持って戻ってきた。
俺の前に腰を下ろす。
「誕生日、おめでとう」
にこりと笑いながらすっと小さな手のひらサイズの包みが渡された。綺麗に包装されている。
「…………」
「今年も、悩んだ」
気に入ってくれるといいな、と言う麻理亜に俺は包みを丁寧に開いていく。