甘い蜜



それでも歩くスピードは変わらないし、むしろ早くなっている気がする。
この格好って歩きにくいんだけどな。


「……敬夜さん」

「ん?」


愚痴っていても私を見下ろすその目は優しい。


「どうして、こんな格好?」

「………ん?まぁ、んー……」


敬夜さんはどう言おうか悩んで居るみたいだ。すると、ハッとして、歩く速さを緩めると、私を見下ろす。


「そういえば、まだ言ってなかったな」

「?」

「綺麗だよ。似合ってる」

「っ……!!」


面と向かって言われたので、私の頬は見る見るうちに赤くなっていく。
やっぱり、好きな人にそう言われたら嬉しい。


私は褒められて有頂天になってしまって、敬夜さんに話をそらされたことに気づかなかった。



< 336 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop