甘い蜜
それでも歩くスピードは変わらないし、むしろ早くなっている気がする。
この格好って歩きにくいんだけどな。
「……敬夜さん」
「ん?」
愚痴っていても私を見下ろすその目は優しい。
「どうして、こんな格好?」
「………ん?まぁ、んー……」
敬夜さんはどう言おうか悩んで居るみたいだ。すると、ハッとして、歩く速さを緩めると、私を見下ろす。
「そういえば、まだ言ってなかったな」
「?」
「綺麗だよ。似合ってる」
「っ……!!」
面と向かって言われたので、私の頬は見る見るうちに赤くなっていく。
やっぱり、好きな人にそう言われたら嬉しい。
私は褒められて有頂天になってしまって、敬夜さんに話をそらされたことに気づかなかった。