甘い蜜
里中?………そんな奴知り合いにはいない。
だから、誰でも連れてきていいっというのは嫌なんだ。
身の程を知らない馬鹿も来るから。
「知らない」
麻理亜はきっぱりと吐き捨てた。
ピクリと里中が眉を上げる。
「俺ね、結構有名なブランドの社長の息子。」
「だから?」
「俺についてきてくれたら幾らでもブランドあげるよ?」
おいおい、誘拐でもする気か。
今時の誘拐犯もそんな手使わないだろ。
だいたい、麻理亜の指を見て分からないのか。
はぁ、と大きなため息をつく。
「嫌よ」
麻理亜も呆れたような表情になった。