甘い蜜
慌てて首を振る麻理亜の肩を抱いて、俺は親父と母さんに行くから、と広間から抜け出した。
そのまま階段を上り、部屋に入る。
この部屋は、俺が昔使ってた部屋だ。いつも使用人達が綺麗に掃除してくれていたらしく部屋は片づいていた。
俺は、ネクタイを緩めると、ふうっと息を吐く。
「………麻理亜、どうした」
ベッドに腰掛けながら俺は、部屋のドアの前に立ち尽くす麻理亜を見る。
「…………怒ってる?」
麻理亜は、不安そうに俺を見てきた。俺はふっと笑うと、ちょいちょいと手招きする。
「おいで」
「………」
麻理亜は、俺の顔色を伺いながらゆっくりと近付いてくる。