甘い蜜
「そうなのか?」
「駄々こねちゃって、帰ってきたら沢山甘えていいからね、て言ったの」
なるほど、そういうことか。
「それまで遊んでたんだけど……いつの間にか寝ちゃってた」
「今日は温かかったしな。」
「うん。春だからかな?」
「そうかもな」
だが、それだけじゃないだろう。
「パパ!!」
ててて、と壱斗が戻ってきて俺に抱きついてきた。それを受け止めて、前髪をかきあげてやる。
「よし、行くか」
うん!と頷く壱斗を一旦離してから、小さな手を握る。
先に俺を引っ張りながら歩く壱斗に合わせながら車のカギと財布を持った。
そして、後ろを歩く麻理亜に手を伸ばした。
「麻理亜」
「?何?」
首を傾ける麻理亜。