甘い蜜
「もう十分だよ」
「欲しいものは無かったのか?」
「うん」
そう言って麻理亜は店を出る。
俺はチラッと商品を見てから、麻理亜の後を追って店を出た。
「他には?」
「十分楽しんだよ。ご飯、何が食べたい?」
麻理亜はもう帰る気満々だ。時計を見たらそろそろ夕食の時間。
「麻理亜、今日は外で食べるか」
「外で?」
「上手いパスタの店が近くにある」
そうなの?と首を傾ける麻理亜に頷く。
「でも、この格好じゃ……」
「服なら買っただろ」
自分の持っている袋を麻理亜に渡す。