甘い蜜
リビングに戻ると山内はもう上がってきていた。
リビングの入り口付近で、俺の服を着てどうすればいいのか困っているようだ。
……俺上下置いたよな?
「お前、下は」
「ん?おっきかった……」
やっぱり無理があったみたいだ。細い山内には大きすぎた。上だけでも膝上まで隠れている。服の下から伸びている白い足は本当に細い。ちゃんと食事を取っているのか不安になった。
「まあいい………今なんか煎れるから、ソファーにでも座っとけ」
山内は頷くと濡れた頭にタオルを被せたままソファーに座る。ゆっくりとした動作でガシガシと頭を拭いている姿を見ながら俺は台所に行く。
何か煎れるって珈琲しかないな……ま、ミルクやら砂糖やら淹れさせればいいか。
カップを二つ取り出して珈琲を煎れる。視界の隅には山内の姿。
そして思う。