Could you love me? ~ツンデレ王子に恋をして~
そこから10分くらいたっただろうか…。
辺りは暗くなり、大きく膨れた月が昇っていた。
王子は狭い路地に入り茶色をしたマンションの前に止まった。
気付かれないように、フゥと溜息をつき王子の様子を伺った。
目の前に通った黒猫にも気付かないほど暗く静まりかえっていた。
歩きだした王子のあとをついていこうと動いた瞬間―――
誰かに手を捕まれた。
「…ちょっ…離してください!」
素早く振り向き相手の顔を確認する。
その瞬間に口を押さえられた。
「ん…んーっっ」