ももか

手紙

石畳の道を走ると冷たい風が頬をなでた。

何でだろう…
なんかドキドキしてる。

広場にカップルや友達同士で座り込み、カントリーを歌う若者の歌声に耳を傾けていた。

ロンドンに来て驚いたのはこうして広場に集まった若者が椎名林檎のCDを流してることだった。
彼ら彼女らは椎名林檎や日本のヴィジュアル系バンドが大好きなのだ。


ホームステイ先の家に帰るとまたももか宛に手紙が来ていた。
差出人は書いてなく、ひまわりのエキスが強く香った。

ヨシカズだ─────。

「あなたの髪を触ると肌に触れたくなるだろう。
肌に触れれば故郷の香りがするだろうか」

身長差のせいでヨシカズに見下ろされた感じ。

冷たく、何を考えてるのかわからない男だ。

身震いがした。
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