蒼い月

「うん」



即答だった。


俺は何も考えられず、


飛鳥の視線に負けそうで、


とうとう下を向いた。



「毎日のように
電話とかメールして。
お互いの気持ちを確かめ合って。
本当ならそれが1番だと思う。
けどあたしは。
晴輝に甘えないで自分1人で
頑張ってみたい。
晴輝には夢を見つけるところまで
甘えちゃったから」



俺も確かにそう思う。


お互いを信じていれば


遠距離は大丈夫だと・・・


でも俺は気づいたんだ。


飛鳥の言いたいことがやっと。


でもやっぱり。



「飛鳥の気持ちは
よく分かった。
けど俺まだ頭がついてけない。
だからもう少し考えたい」

「うん、わかった」



俺たちは再び歩き出した。


何も話さなかったけど


不思議と居心地はよくて。



でも、飛鳥がただただ




遠い存在に思えた―
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