蒼い月

蒼い月


あの日から3日が経った。


晴輝とは話すけれど


一緒に帰らない日々が続いた。



「飛鳥、今日帰れる?
話、あるから」

「うん、わかった」



話があるといったら


あのことしかないだろう。



「飛鳥・・・本当にいいの?」

「瀬戸内と別れて後悔しない?」

「うん、しないよ」



あたしはきっぱりと言った。



「そっか」

「それならいいんじゃない?」



迷わなかったことから


決意の強さを感じ取ったのか


それ以上は何も聞かなかった。


それが笑と有沙の優しさ


なんだと思う。



「校門のところで待ってる」



そう言い残した晴輝は


1人早々と歩いていった。


あたしはクラスの友達と


いろいろ話してから


走って校門へと向かった。



「ごめんっ!」



季節は11月中旬。


冬休みも近づき、


ますます受験漬けの日々。


最近、暑がりのあたしも


さすがに肌寒くなってきた。



「いや、大丈夫」



晴輝と歩き出す。


ペースはいつもと変わらなくて。


あたしの速度に合わせてくれる。


いや、もう慣れたのかもしれない。


それほどにも・・・


あたしたちはお互いのことを


わかりきっていたんだ。



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