【実話】アタシの値段~a period~




ユキを、半ば無理やり車に乗せたのは


そんな平行線な


沈黙と言い合いが


20分ほど続いた頃だった。




薄明るくなった道端で


放してよ、


と睨み付ける彼女。



通行人が


拉致現場にでも居合わせたような目で


こちらを見ていた。




それから、俺の部屋に着くまでユキは


不機嫌そうにずっと黙ったまま


窓の外に顔を向けていた。



< 112 / 480 >

この作品をシェア

pagetop