昨日の空

飛行機の搭乗口から降りた、東京の空は曇っていた。なんだか真美はため息がでてしまった・・沖縄に戻りたい気持ちで一杯だった。
家に着く前にどうしてもすぐマスターに会いたくて、友達の映子に電話した。
「真美だけど、映子おきてた？あのバーって何時までだっけ？」「朝の３時までだよ」じゃあまだ今９時だから今から行けば間に合うよね、ねえどうしてもマスターに会いたいから行こう？」「この間は断ったくせに」「あれはダイビングのツアーの前日だったから用心にこしたことはないと思っただけだよ」「ね、お願いどうしてもマスターに会いたい」「しょうがないな、じゃあ羽田まで車で迎えに行ってあげるよ」
そういうことで映子が羽田まで来るまで迎えに来てくれた。持つべきものは友達である・・・「ありがとう」「本当に映子大好き」旅の疲れからいつものテンションではなかったんだけど友達が目の前にいてくれるそれだけでうれしかった。
「じゃあバーに直行だね」「うん、レッツゴーだあ」映子の赤いクーペで走る、高速道路は夜の光が当たってすごくムードがあり、隣に座っているのがマスターだったらと思ってしまった。残念だけど映子だった・・・・・・・・・・・・・
高速道路の脇の蛍光灯が光の輪になって次々車を追いかけてくる、夜の高速道路何度走っても素敵だった。良く昔は渉と高速道路ドライブに連れて行ってもらったなそんなことを思い出していた。光の輪が道路にあたってヘッドライトに反射してきれいだった。
もうすぐつくもうすぐ・・・・・・・・待ち遠しかった。
気がついたら疲れていたのかサイドシートで眠ってしまっていた。
「ついたよ」映子に起こされた・・・・・・・・眠い目をこすりながら、立ち上がってふらつく足取りでバーの中へ。でもマスターの顔を見たらすぐ元気が出た・・・
「いらっしゃい、今日は遅いんだね」「沖縄帰りなんです」「沖縄何しに行ってきたの？」「ダイビングツアーです」「そっかダイビングなんてやるんだ」行動派だね真美ちゃんは」（いつものレッドアイがカウンターに置かれた）いつものね、マスターがウインクした。「向こうで酔っ払いのおじさんの相手してきたんです」「ダイビング前なのに酔っ払っちゃって悲惨でした」「でも向こうはれていて海きれいでしたよ」「とてもきれいでした」「海底とかキラキラしていて」とてもきれいでした・・