黒き手が…
「…それの何がおもしろいの?」

「やぁだ~。よく考えてみなさいよ。一人ずつ、位置はズレるのよ? だから途中で一人は二つの角を曲がらなければいけない。けれどもし、一人一つの角しか行かなくなったら?」

「そうなったら…」

…一人、増えていることになる。

つまり、ホラーだ。

ミナは言葉に詰まった。

「じゃ、やり方の説明は終了。30分したらケータイのアラーム鳴るから、そしたらオシマイね」

アキはそう言って、各々立つ位置を決めた。

そしてアキ、ユマ、フーカ、ミナの順番になった。

引き戸を閉めても、月の光が窓から差し込むので、足元は見える。

「じゃ、始めましょう」

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