俺が大人になった冬
女に連れて行かれたのはカフェから目と鼻の先にある鉄板焼きの店だった。

そこは見るからに高級な店のようで、正直俺は、エントランスですでにビビっていた。どう見ても普通？　の１８歳の学生には完全に場違いな場所。

今まで金持ちの女と付き合っていた割に、外で食事をすることなどほとんどなく（主に体だけ）こんな店に来たのは初めてだ。

それでもビビっていると思われたくなくて、できるだけ表情を変えずにいるようにした。

席に通される前に、何故かエントランスの横のソファーに座らされた。

豪華すぎて、なんだか落ち着かない。

「ちょうどキャンセルが出たところだったんですって。よかったわね」

女はこういう店に頻繁に出入りしているのだろう。俺とは違い余裕のある表情でそう言った。

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