Sky Blue-同じ空の下-


時が―
トキが止まった―


『忘れる―』
忘れたい時期もあった。
自分を憎んだ時期も。
忘れたかったけど、そう思う度に慧への想いや慧との思い出が頭から離れなくなる。



「……なんで??なんで、そんな事言うのよ!!」


「お前が―」


「どんだけ私が苦しんでたか、廉なら分かってくれてると思ってたのに…信じてたのに…」

聞きたくなかった。
今は廉の言葉を聞きたくない。



「分かってるさ!!近くでお前を見てたから!!見てたから、言うんだよ。好きだから。……お前が…碧のことが好きだから…」


「えっ…」


「ごめんな―」

そう言って、廉は淋しそうな、切なそうな笑い顔をして、背を向けて歩き出した。




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