狐の眠り姫
六月
葉は、雨の中神社にいた。
双子の姉、唯に散々脅された結果である。
葉は、生まれながらに霊感が強く、放っておくといつの間にか悪霊に憑かれて寝込んだりするため、定期的な神社へのお参りがかかせなくなっている。
今回は、テストが近いせいもあって行くのをサボっていたのだが、それに気が付いた唯がキレた。
「命とテストとどっちが大事なのよ!」とそこまで言われては行かないわけにはいかず、渋々学校の帰りに寄ったというわけだ。
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