† 黒猫とクラウン †
嫌な予感的中。

「夜の徘徊者ってことは、夜に出かけなきゃならないってことだよね・・・」

『もちろんです』

「はぁ~・・・」

そもそも、なんで月影がこんなに礼儀正しくなっているかというと・・・。

―――・・・昨日の夜・・・―――

「じゃあ、今日からお前の名前は・・・『月影』!」

言ったとたんに猫の胸辺りが光だし、しばらくするとそれが陰陽模様になっていることに気がついた。
『我らテイルズのものは、名を与えてもらった、いわゆる主人には、絶対の忠誠をこの陰陽に誓う。この陰陽は、お主の肩の陰陽とつながっておるのだ。・・・では改めて、ご主人、名を与えてくださり、ありがとうございます』

――・・・と、こうゆうわけで、月影は初めのころとは全然違う態度で僕に接してきてくれる。
「・・・なんだかな~。調子狂うな」

ため息をつきながら朝食を食べる僕に向かって、月影は、

『どうされました?』

と聞いてきた。

「ん。なんでもないよ」

そう言ったのは、月影がキャットフードでとても満足そうにしていたから。

ここで彼の調子まで下げてしまっては、なんだか申し訳ない気がした。

僕は手早く朝食を済ませると、すでに準備が整っているかばんを背負い、

「じゃあ月影、行ってくるね」

笑顔で手を振る。

『行ってらっしゃいませ!』

月影もとても幸せそうな顔で微笑んだ。





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