† 黒猫とクラウン †
あれほど同化していたというのに、どこへいったのだろう?

そう思っていると、月影がおかゆを作って戻ってきた。

『ご主人、朝食をお持ちしました。まだ本調子は出ないと思うので』

「ありがとう」

渡されたお椀を受け取りながら、

「ねえ。昨日つけてた尻尾とか、どこにいったの?」

と聞いてみた。

『あぁ。あれは夜になるとまた出てきますよ。尾は主人の体内に収納されています。仕組みは分かりませんが、夜になるとまたはえてきますよ?』
・・・なんじゃそりゃ・・・。

そう思いながらも、おなかがとても減っていたためそれ以上は追求せず、月影が作ったおかゆにがっついた。
おいしい。

素直にそう思った。

(・・・月影って料理できるんだ・・・)

【数分後】

もちろん完食!

「おいしかった!ありがと、月影!」

『い、いえ。わたしは当たり前のことをしたまでです』

いいながら、照れて僕から視線をそらしている。

そんな月影が可愛くて、つい口元に笑みを浮かべてしまった。

それに気づいた月影が、

『あの・・・私の顔に何かついてますか?』

と尋ねてきた。

慌てて口元を押さえて、




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