† 黒猫とクラウン †
すると自分の意志とは関係なく、足元の瓦礫が、自分に静まれといった人間へ向かってとんでいった。
「なっ・・・!?」

そのテイルズがすぐさま主人の前に飛び出し、盾をつくる。

『黒牙様!何故ですか!』

そのテイルズが叫ぶ。

他の主人たちも口々に「何故ですか!」「どうしたというのです!?」と尋ねてくる。

だが今の千影には、その言葉一つ一つが自分への攻撃となっていた。

頭の中をかき乱されるようなすさまじい衝撃で、目を開けていられなくなった。

それでも叫ぶのをやめないテイルズたちに、

『黙れ!!!!』

思い切り叫び返した。

・・・声がやんだ。

同時に頭の痛みも消えた。

目を開けてみると・・・。

『・・・っ・・・!?』

自分の周りにいた者達は、片腕をなくしたり一部を切り裂かれたりで、血まみれとなって倒れていた。
苦しむ人々を見て自分が何をしたのかを考えるのが怖くなり、その場から走り去った。

『なんで・・・なんでっなんで!!』

涙を流しながら、自分に何故と問いかけた。

しばらく走っていると、だんだん息があがってきた。

そして足が止まった場所は・・・。

『ハァ・・・ハァ・・・。ここ、蓮の・・・?』

目の前にあるのは、心友、蓮の家だった。


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