† 黒猫とクラウン †
こんな足じゃ動けない。

じきに見つかってしまう。

このままじっとしているわけにも行かないな・・・。

そう思って、とりあえず立ち上がってみる。

『痛っ!』

右足に鋭い衝撃がはしった。

しかし、右足をあげて歩いてみると、痛みは大して気にならなかった。

『これなら大丈夫かも』

ホッと息をついたとたん、

『いらっしゃったぞ!』

見つかった!?

ハッと後ろを振り向く。

既に10匹ほどのテイルズとその主人達に囲まれていた。

手に手に武器を持っている。

『ちぃっ!』

小さく舌打ちをして、そいつらと向き合う。

『ヴヴ・・・』

自分の口からは、低いうなり声が出ている。

「黒牙様、どうかお静まりください!」

一匹のテイルズの主人がそう叫んだ。

しかし、そいつが声を発するたび、頭が割れそうに痛んだ。

『ガァアアアアア!!!!!』

頭を横に振って叫ぶ。





< 31 / 42 >

この作品をシェア

pagetop