絆
先生はベッドサイドの椅子に座り直して、手をぎゅっと握ってまた話始めた。
「君のお母さんかお父さんと、一度ゆっくり話がしたいんだ。
麗さんからも聞いてもらえないかな?」
え………?
お父さんかお母さんって…………
「多分……」
「ん?」
「多分、無理だと思います。
2人とも仕事で忙しいので…ケホッ」
ケホッケホッ
「ゲホッゲホッ」
あれ??
苦しい………
「麗さん!?」
「……っ
はぁー、はぁーっ」
「麗さん、落ち着いて、ゆっくり息して。
大丈夫だから。」
先生に合わせようと、必死に呼吸を繰り返す。