絆
「おはよう、麗さん。
体調どう?
ちょっと熱あるみたいだね…」
そう言って先生は、ベッドの傍にある椅子に腰掛けた。
細くしなやかな指でカルテをめくってる。
綺麗な指だな…
一度でいいから、触れたかったな…
でも、タイムリミットだ。
お別れしなきゃ。
「先生…?」
「ん?どした?
どこか痛い?」
心配そうにあたしを覗き込む表情も、全てが愛しい。
「…大丈夫です。
先生、
あたし、あとどれくらい入院しなきゃいけませんか?」
言いたくなくて引き延ばしてる自分に、どこまで往生際が悪いのかと腹がたつ。
「んー、最低でも熱下がるまでは…
自分でも体辛いの分かるよね?」
「はは、そうですね…」