《短編》ヤンキーの姉
義弟の強さ
英治……。
助けに来てくれたことで、今度は別の涙があふれそうになる。
こうなった原因は英治だけど、このときは来てくれたことが素直に嬉しかった。
「ったく。エイジ、お前タイミング悪ぃんだよ」
「そうそ、これからいいところだったのによぉ」
赤髪男と口ピアス男が英治の方を振り返りながら言った。
二人が振り返ったことで、あたしの今の姿が英治の目に触れる。
睨むようにつり上がっていた目が、驚きを表すように見開かれた。