逆らえない
「安西先輩」

ドアの向こうから畠山の声が聞こえる。

「10分以内で行って来て下さいね。もし勝手に着替えて行ったり、10分以内に帰ってこなかったら、何度でも行ってきてもらいますよ?」

「……っ」

恥ずかしさと屈辱に、安西は唇を噛む。

…気弱な彼女は、言いなりになるしかない。

多くの生徒達の好奇と軽蔑の視線から身を守るように。

彼女は両手で体を抱きしめ、購買までの長い道程を歩き始めるのだった…。

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