マイスィートアフタヌーン
「ジョン君というのは、現在おいくつなのでしょう」


何もないことはわかっていても、つい紙を裏返してしまう。白紙を確認した後はそれを手の中で玩びながら、フレディは当たらない質問を出してみた。


「今年の春で二十六になりました。あなたと同じ年頃ね」

「大学を卒業してから数年……ですか。ご子息はすぐにあなたの学院に入られたのですか」


「在学中から手伝いはさせていましたし、卒後は教師として教壇に立つ日々でした。英文学ですの。どちらの席に加わっても会話に加われる淑女を、私どもは理想としましてね。男子学生と似通ったものを、一通りは学ばせているのです。昨日と今日の授業は急用のため外出したと言って自習にしていますけど、続きますと不審に思う者も出てきてしまいますわ。私がこうして学院を離れることも数年来なかったことですし、生徒の中にはまったくの従順とは言い難い娘もおりますから」
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